日々のブログ

ふるさと納税

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兎追ひし彼の山
小鮒釣りし彼の川
夢は今も巡りて
忘れ難き故郷

 

神戸市、西宮市、芦屋市、宝塚市の皆さま、こんばんは。
公認会計士・税理士の横山です。

上記は皆さまもよくご存じの唱歌 「ふるさと」。
小学校で歌いましたよね。

1914年(大正3年)に尋常小学校(明治から太平洋戦争開始前頃までの
小学校のこと)の唱歌として発表されたものらしいです。
もう100年前ですか。
まったく色褪せてないですよね。
メロディーは叙情的かつ簡潔で、
雄大で温かい風景と、家族・友人の顔が瞼に浮かびます。

いや。そんな気がするだけですかね。
小学生の私は、ウサギ小屋の掃除はしてましたけど、
兎は追っていませんしね。
芦屋川のニジマス釣り大会は行ってましたけど、
小鮒は釣っていませんでした。

唄いながら、自分の親の世代は、
こんな風景で育って、こんな気持ちで大人になっていったのかなぁと
想像に想像を重ねていただけかもしれません。
唱歌の中の美しい景色が、この国に残ってくれたらと願うばかりです。

 

昨日が4月1日だったということで、
今日から暮らしのお金はこう変わりますよ
みたいなニュースがたくさん流れてました。

その中のひとつとして、ふるさと納税。

平成27年度税制改正大綱において、
2015年(平成27年)4月1日以後に行われる寄付について、
下記のように変わりますと記載されています。

【税制改正大綱、 一 個人所得税、 4 その他、 (個人住民税)(13)】

  1. 特例控除額の控除限度額を、個人住民税所得割額の2割(現行1割)に引き上げる。
  2. 確定申告不要な給与所得者等が寄付を行う場合、
    「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を創設する。

 

1.について

ふるさと納税は、寄付金のうち2000円を超える部分について、
一定の上限額までは、所得税・住民税からマルマル控除しますよ
というものでした。

その控除額の計算は下記のようになっています。

① 【所得税等】

(寄付金 - 2,000円)を所得控除
⇒ 所得控除額 × 所得税率 分だけ所得税が減る。

② 【個人住民税(基本控除分)】

(寄付金 - 2,000円) × 10%
⇒ 住民税より税額控除

③ 【個人住民税(特例控除分)】

(寄付金-2,000円) × (100%-10%-その人の所得税率)
⇒ 住民税より税額控除

 

例えば、
年収700万円の給与所得者で、
夫婦、子なし、寄付金以外の所得控除140万円の人が、
市に3万円寄付したとします。

<給与所得の金額>
700万円×90%-120万円=510万円

<課税所得の金額>
510万円-所得控除140万円=370万円

<寄付金による控除額>

課税所得370万円の人の所得税率は20.42%、
住民税率はみな一様に10%ですので、
ふるさと納税による控除額は、

①【所得税等】
(寄付金30,000円-2,000円)×所得税率20.42% = 5,717円

②【個人住民税(基本控除分)】
(寄付金30,000円-2,000円)×10% =2,800円

③【個人住民税(特例控除分)】
(寄付金30,000円-2,000円)×(100%-10%-20.42%)
=19,482円

①+②+③=27,999円

つまり、寄付した3万円から2,000円を控除した分が、
まるまる所得税・住民税からマイナスされることとなります。
おめでとうございます。

30,000円寄付したって、28,000円税金が安くなるわけですから、
実質2,000円の負担で、各自治体から美味しいものとか
いただけるんですよね!

じゃあいくら寄付してもお得なのかといったら、そうはいかず。
上限が設けられています。
上限があるのは上の③【個人住民税(特例控除分)】について。

ここが、「個人住民税の所得割額×10%」が上限ですよとされています。
個人住民税所得割額≒所得税の課税所得(上記例題では370万円)。
二アリーイコールですよ。
ちょっと違いますからご注意を。

 

ようやく本題。
いま述べました上限額が、
平成27年4月1日から変わると冒頭書いたのです。
『特例控除額の控除限度額を、個人住民税所得割額の2割(現行1割)に引き上げる。』

これにより、実質2,000円負担で済む寄付金の額が、
これまでより増えることになります。
じゃあ私はいくらまで寄付できるの?ということになろうかと思いますが、
各人の状況によりますので、こちらをご参考にと言って逃げを打ちます。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html

総務省HPです。
ここの「Ⅰふるさと納税の概要」→「2、控除額について」の箇所に
PDF資料がありますので、ご参考にして下さい。

 

2.について

これまでは、ふるさと納税は確定申告しないといけないよ
という話でした。
お得だお得だと聞いていても、
確定申告とか言うといっきに面倒くささが臭い立つので、
黙殺してますというサラリーマンの方も多いのでは。

そういった確定申告をする必要のない給与所得者等の方が、
ふるさと納税の寄付をすると、
寄付をした自治体から、あなたのお住いの自治体に
寄付金の情報が送られ、
あなたは確定申告をせずとも
(寄付金-2,000円)の額を翌年度の住民税から控除されることと
この度めでたく相成りました。

ただし、あなたが確定申告しなくても済むこの
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が適用されるためには、
寄付する自治体の数を5つ以内におさめる必要があります。

6カ所以上に寄付してしまうと、従来通り、
ご自身で確定申告をしていただくことになります。

あと、2015年4月1日以降の寄付についてだけ適用されます。

今までは所得税と住民税のそれぞれから
ふるさと納税による控除を受けていたのですが、
この「ワンストップ特例」を適用すると、
住民税からのみ控除を受けることになります。
一部お国が還付していたものが、
全部、都道府県及び市区町村から還付されることになるのですね。

 

いずれにせよ、お得になる金額の上限も増えて、
手続も簡素化されて、嬉しいじゃあないですか。

ただ、私の望み。
今は2,000円でカニがもらえちゃいます!
みたいな風潮になっていますが、
我がヤマトの民族たちには、もう一段、歩みを進めていただいて。
2,000円で木が1本植えられますとか、
寄付した金額は河川の清掃に使われますとか、
先祖より受け継いだ美しい「ふるさと」の景色を守ることに
繋がっていけばよいかなぁと思います。

え~と。やっぱこの佐賀牛にしよっかな~。

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2015-04-02 | Posted in 日々のブログ