日々のブログ

タワーマンション節税

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阪神間の皆さま、おはようございます。
税理士の横山です。
ご無沙汰しております。

 

映画『タワーリングインフェルノ』ってご覧になられましたか?
私は昨年のクリスマス頃に、友人に進められて初めて見ました。

1974年。私が生まれる前の作品。
パニック映画の最高傑作です。
アカデミー賞も3部門受賞してます。

サンフランシスコにできた138階建ての超高層ビル。
上院議員や市長やら、華やかに着飾った上流階級の人々が
落成式のパーティーを最上階で楽しんでいるさ中、
下の81階でボヤが発生してしまい。

ビルのオーナーのバカ息子が、工事代をケチって
設計士が言った通りの規格を守らずに安普請を勝手にしてしまい。

オーナーに「パーティーは中止しろ」「客をみな1階に避難させろ」
と言っても、「こんな火はすぐに消せるワイ。ショー マスト ゴー オンだ。」
と聞く耳もたず。

消防隊が駆けつけても、バックドラフトで丸焼けになっちゃうし、
軍隊のヘリを呼んで屋上から逃げようとしても、
風にあおられて、引火して、あえなく落下するし。

隣の高層ビルからロープかけて、
簡易なゴンドラをブーラブラとひっかけて、
そこに悲鳴をあげながら目をつぶって人が乗って、
めまいのするような綱渡りを敢行しても、
「オレが先に逃げるんだ!」
と争いが起こってしまい、乗ってる人ごと落下とか。

まぁ怖いですよ。
気が付けば掌が湿ってますよ。
さすが有名作品。ハズレなし。
ちょっと長いけど。

 

ワーナーブラザーズと20世紀フォックスの合同作品。
ダブル主演でスティーヴィ・マックイーンとポール・ニューマン。
どちらも大好きです。

マックイーンの『男』が滲み出ているところもギュンギュンきますし、
ポール・ニューマンのちょっとだけ皮肉をたたえた口元とか、
私が女ならすべてを捧げても悔いなしって感じですね。

主演も豪華で、
上記2人の他に、ウィリアム・ホールデン、フレッド・アステア、
フェイ・ダナウェイとか。
お金かけまくってます。

1974年なんてCGが無い時代ですからね。
どうやってあのビルと火の海の映像を撮ったんですかね~。
高さ22メートルのビルの模型作って撮影したとは聞いてますが。

マックイーンが消防隊長役で、ポール・ニューマンが設計士役です。
ぜひ見て下さい。

以上。さよなら。

 

だと怒られるので、
タワーマンション節税について。

相続税が流行っているおかげで、
相続税対策ということでタワーマンションを使った節税の話も
よく耳にしました。

タワーマンションがなんで節税になるのか?

相続税法上、相続財産は『時価』で評価しろとなってます。

じゃあ『時価』はどうやって求めるの?

その『時価』は原則「財産評価基本通達」で定められた方法で
評価した価額でよいよ とされています。

マンションはその「財産評価基本通達」とやらでは
どうやって評価することになってるんですか?

  • 区分所有の建物部分の価額

⇒ 建物の固定資産税評価額
(1棟の建物全体の評価額を専有面積の割合で按分してね)

  • 敷地の価額

⇒ マンションの敷地全体の価額(基本路線価方式で求める)×敷地権割合

この評価方法でいくと、
2階の住戸の人も、最上階でカクテルグラスでパーティーばっかりしてる人も、
面積が同じなら同じ評価額になっちゃいます。

感覚と違いますよね。

タワーマンションだと、高層階になるほど、
購入時のお値段は高くなるはず。

そう。

タワーマンション節税というのは、
この相続税評価額と市場価格の乖離をついたものです。

相続開始前に駆け込みで、高層階の高い部屋買って、
相続税の申告時に、購入価額よりうんと安い値段で評価してもらって
税金納めて、
申告終わったら、相続人がそそくさと売り逃げしちゃう。

国税庁がタワーマンションの市場価格と相続税評価額の
乖離の実態を把握するため、サンプル調査をしたみたいです。

すると、調査の結果、乖離率は平均で3.04倍!
最大で6.93倍!
タワマン節税だなんて、お金持ちはいいところに目を付けましたね。
1億円で売れるものが、相続税の評価上は3,600万円で
計算してもらえるんですね。

でも、ちょっと前から、こんなこと許さないよという
判決も出てたりするんです。

東京国税不服審判所 平成23年7月1日裁決

  • 本件マンションの購入目的は相続税の節税目的である。
  • 相続人はたまに窓を開けるなどしてただけで、ちゃんと住んでない。
  • 被相続人の死亡後4ヶ月で売却依頼している。

⇒ 相続開始日前後の短期間に一時的に財産の所有形態が
マンションであるに過ぎない財産を、
実際の価値と大きくかい離して過小評価するのはよろしくない。

⇒ 本件マンションの評価額は購入価額2億9,300万円であり、
相続税評価額5,801万円は認めません。

 

でも、法律で定められた「財産評価基本通達」通りに
評価してるのに、何がいかんのですか?

そう逆切れした時に、国税庁さまが抜刀する
伝家の宝刀がこちらになります。

『財産評価基本通達 6項』

「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる
財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」

 

なんと。
この6項さえあれば、国税庁長官さまの思い通りではないですか!
課税される側が一生懸命勉強して、
法律に則って素敵な方法考えたとしても、
この2行で無にされちゃうんですね。

まぁ、ズルい人には天に代わって仕置きしてくれると言うんですから
いいとしましょうか。
法的安定性とかいう点では、難点ありなのかもしれませんけどね。
最後に、『タワーリングインフェルノ』の主演のおひとり、
ビルの設計士ダグ・ロバーツ役のポール・ニューマンより
お一言。

『Maybe they just ought to leave it the way it is…
Kind of a shrine to all the bullshit in the world.
(このビルをこのまま残すべきかもな。。人の愚かさの象徴として。)』

 

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2015-11-13 | Posted in 日々のブログ