日々のブログ

賃貸アパートによる節税

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宝塚市、西宮市、芦屋市、神戸市の皆さま、
こんばんは。
公認会計士・税理士の横山です。

今日は雨でしたね。
雨の日は靴が傷むから悲しいですね。
私はかれこれ7年ぐらい履いている革靴が3足もあります。
ソウルを張り替えたり、定期的にクリーニングしてもらったり、
大事に大事に履いてます。
偉いでしょ!?

独身時代は、
「己を磨くより靴磨け!」
と愚かなことを言ってました。
今でも根本的に愚かですけど。

今日は公認会計士の大先生と大阪でお会いしたのち、
近畿税理士会西宮支部の確定申告無料相談会の研修会に
行って参りました。
2時間遅刻して。

その後、懇親会に参加。
色々と支部の方の知り合いを広めようと
勇気を出して参加したまではよかったのですが、
結局お隣の御年77歳の大先生とずっと話し込んで
そのまま退席。
今日も人見知りっぷりを如何なく発揮してやりましたよ!

いったい世間の人はどうやってパーチーの場を過ごされるんですか?
どうやってひょいっと席を立って、お酒を注いで回ればいいんですか?
どうやってテーブルを周遊して見知らぬ人に話しかければいいんですか?
世間は偉大だ。

 

内気なヤツはほっといて、
今日も税の話でもいたしますか!

本年1月1日から相続税の大改正ということで、
毎日毎日、相続関係のニュースやら記事やらを見かけます。
商魂がたくましう見えて、嘔吐感を覚えますが、
皆さんはこれもまた税について知るいい機会ですから。
自己の責任で自己防衛を果たすため、
しっかりと知識武装を行っていただきたいと思います。

相続対策で必ず出てくるのが不動産の活用。
その中でも賃貸アパートの経営が有効って
よく耳にされませんか?

今日はこれの基本中の基本を書きますので、
「あぁ、こういう仕組みをもったいつけて言ってるのね」
とマスターして頂ければと思います。

相続財産として現金預金があるとします。
ドカンと。
これを1,000円札に替えようが、硬貨に両替しようが、
壺に隠そうが(見つかれば)、
現預金である限りは、
1億円なら1億円の評価に変わりはありません。

ところがこの1億円で土地を買ってしまう。
そうすると、
相続財産の評価のルールとして、
土地は基本的に路線価で評価することになっています。

そしてこの路線価は、
地価公示価格(≒時価)の80%程度と言われています。
つまり、1億円でその土地を買っても、
相続財産の評価としては約8,000万円で評価してもらえる。
瞬間的な価値(市場価格)としては1億円あるんですよ。
買ったばかりなら。
売ろうと思えば1億円で売れる。
でも、相続税の評価においては8,000万円。
2,000万円分も評価上は資産を圧縮できたことになるんです。

なんせ、お金をお金のまま置いておくと何の対策にもならない。
お金を不動産に変身させてしまえば、
評価額は下げることができるということです。

 

で、よく聞く賃貸アパート経営。
例えば、あなたが資産家で、
相続税評価額1億円の土地(公示価格で言えば1億2,500万円ぐらい。
0.8で割り戻しましょう。)と、
現金預金で1億円持っていらっしゃるとしましょう。

そしてハウスメーカーの勧めに従い、
もう1億円借金して、
手持ちの現金1億円と合わせて、
2億円でアパートの上物を建築することにしました。

さぁ、この時の相続税の評価です。
土地。
前提として更地の時の相続税評価額が1億円と書きました。
これが、
土地の上に賃貸アパートという借家が建っている土地ということで、
安く評価してもらえます。
これを「貸家建付地」の評価といいます。

【財産評価基本通達26】

①自用地評価額×(1-②借地権割合×③借家権割合×④賃貸割合)

こんな式で評価されます。

①自用地評価額・・・自分で使ってる時の評価額。更地とか自宅の敷地とか。
②借地権割合・・・路線価で決められてる。30%~90%。
③借家権割合・・・全国一律30%
④賃貸割合・・・簡単に言うと部屋が埋まってる割合

ではこの算式により土地の相続税評価額はどうなったでしょうか。

1億円×(1-60%×30%×100%)=8,200万円。

借地権割合は住宅地で多い60%を仮定で用いました。
賃貸割合は分かりやすく100%。全室埋まってるということ。

おめでとうございます。
1,800万円のダウンです。

 

次に上物。
アパートという箱の評価です。
相続税の評価において、
建物は固定資産税評価額で評価されます。

固定資産税評価額は新築価格の約60%程度の評価。

さらに、その建物を人に貸してる(アパートですから)
ということで、さらに下記のように評価が下がります。
これを「貸家」の評価といいます。

【財産評価基本通達93】

①自用家屋の評価額×(1-②借家権割合×③賃貸割合)

こんな式で評価されます。

①自用家屋の評価額・・・自分で使ってる時の評価額。
②借家権割合・・・全国一律30%
③賃貸割合・・・部屋が埋まってる割合

では、設例をこの算式に当てはめてみましょう。

自用地としても2億円の新築家屋が
固定資産税評価額で評価してもらえるということで
2億円×60%=1.2億円

そこに「貸家」の評価で、
1.2億円×(1-30%×100%)=8,400万円

賃貸割合は分かりやすく100%。
無事に全部部屋がうまっていると仮定して。

トータルでどうなりましたか?
土地)1億円 → 8,200万円
建物)2億円 → 8,400万円

さらに、あなたは1億円の借金をして
アパートを建築されました。
相続税の評価において、
負債は資産よりマイナスして評価してもらえます。

8,200万円+8,400万円-1億円=6,600万円

もともと持っていた土地1億円、現金1億円が、
なんと6,600万円に!
1億3,400万円の圧縮に成功!

 

これだけ見ればバラ色ですが。
相続税評価額を下げるという意味では、
相続対策に成功したようですが、
それとは別の話としてアパート経営という問題が出てきます。

相続税対策でアパートを建てたのはいいものの、
アパートの入居者がなかなか見つからず、
賃料収入が計算通り入ってこなかったらどうします?

あなたは1億円もの借金をしてしまったんです。
当然利息だって払います。
アパートの管理料も払いますし、
何よりも毎月の元金返済がございます。

こういう心配のために、ハウスメーカーさんとかが、
「サブリース」といって、
『30年一括借り上げシステム!』なんて宣伝されていると思います。

このアパートのオーナーであるあなたから、
会社がアパートをまとめて借り上げて、
その会社が住人に部屋を転貸(また貸し)するという形です。

会社は住人から家賃をとり、
あなたには、空室があっても家賃保証しますとか言って、
全室分の家賃を下さる。

これで問題解決♪

な訳ないですよね。
そんなウマい話があるはずもございません。

このサブリース契約も期間を区切っての契約更新ですから、
更新の度にあなたが受け取る賃料を値下げしろと言われます。

他にもいろいろと契約書上で、
会社が絶対に損をしない仕組みをうたっているはずです。

結局、うまい話はないと。
でも、賃貸アパートを建てることが絶対ダメなわけじゃないですよ。
アパート経営もそれなりに大変というお覚悟をもって。
事業や投資を行うわけですから、
立地なり、都市環境、人口動態などなど、
きちんと検討しないとダメということですよね。

私なんかもアパートを5棟ぐらい持ってますが大変です。
妄想ですね。
お薬ないですか?

 

これで、相続税対策としての賃貸アパート経営の話は
マスターですね。
評価が下がる仕組みと
そこからの賃貸アパート経営の難しさと。

男「医療保険部の調べでは、都会人は年に平均2.5回風邪をひくそうだ」
女「申し訳ないわ」
男「何が?」
女「私がひかない分、誰かが5回もひいてるわけだから」
男「そりゃボクだ!」
(『アパートの鍵貸します』1960年、米国)

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30代の税理士です。
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2015-01-27 | Posted in 日々のブログ