日々のブログ
相続税の税務調査②
宝塚市、芦屋市、西宮市の皆さま、こんばんは。
税理士・公認会計士の横山です。
オックスファムという国際NGOが富の偏在に関する報告書を出していました。
オックスファムというのは貧困撲滅のための国際活動をされているそうです。
世界人口の最富裕層にあたる1%の人々が、
世界の資産の48%を握っているとか。
この割合は年々増えており、来年には半数超を1%が握ることに。
その1%のスーパーリッチの平均資産は3億1600万円。
さらにその中のトップ80人の資産総額は合わせて223兆円ぐらい。
これは世界中の下位35億人の資産総額とほぼ同じだそうです。
すごいですね。
1%の平均が3億円ぐらいでしたら、
知人のあの人もあの人も、
へぇ~1%クラブの人なんだ~って思いますね。
私も含めて皆さんも、諦めずに生きているかぎりは
スーパーリッチになるかもしれないですね!
頑張りましょうか。
前回の続き。
相続税の税務調査のお話。
前回、税務調査の統計については確認致しました。
相続税のかかる人が申告書を提出すると、
2割以上の確率で税務調査が入り、
税務調査に来られてしまうと、
8割以上の確率で追徴税額が取られてしまうということ。
では、税務署はどのようにして、
実地調査に行く案件をピックアップしているのか。
ちなみに、【相続税法 第58条】にて、
市町村長は死亡または失踪に関する届書を受理したときは、
当該届書を受理した日の属する月の翌月末日までに、
所轄税務署に通知しなければならない
と規程されています。
そして市町村長から税務署長に通知される書類には、
ご丁寧に土地・建物の所有面積と固定資産税評価額も添付されているそうです。
元特別調査官曰く、
以下の4つぐらいの視点で実地調査事案を選定していますよと。
- 形式基準
- 被相続人の収入情報からのアプローチ
- 資料情報からのアプローチ
- 申告内容等からのアプローチ
1. 形式基準では、次のどれかにあたったら、
自動的に選定されるというもの。
① 大口山林所有者・・・50ヘクタール以上の所有者で立木の伐採・譲渡が見込まれる人。
② 超大口資産家・・・土地20億円以上。
③ 大口資産家・・・有価証券の大口所有者で年間配当額が4,000万円以上。
④ 政治家・有名人
ヘクタール。懐かしいですね。小学生以来か。
1ヘクタールは10,000㎡でした。
こういった大口案件は国税局の資料調査課(通称『料調』)
が担当されるそうで、
所轄の税務署(西宮税務署とか芦屋税務署とか)は担当しないみたい。
またちなみにですが、
『マルサ(国税局査察部)』は相続税をほぼ担当しないそうです。
『マルサ』は税務署員より、『料調』より、もっと怖いところですね。
マルサは立件して、裁判所に送り付けて、刑罰をつけるのが
あくまでも目的だから、
相続税は申告漏れがあったとしてもグレーな部分が多く、
立件しにくいからというのが理由みたいです。
2. 被相続人の収入情報からのアプローチ
生前の職業等で経常的に高額収入がある人はマークされています。
そういった情報が税務署に溜め込まれていなかったとしても、
医師・弁護士等はちょっと視野には入れるみたい。
3. 資料情報からのアプローチ
① 税務署にたまっている様々な資料と申告内容が合わない。
② 多額の国外送金資料があるのに、送金に見合う在外財産が申告されてない。
③ 固定資産の情報、生命保険金の情報と申告内容が合わない。
200万円を超える外国送金をしたら、
銀行から税務署に「国外送金等調書」といった資料がまわりますよね。
あと、「投書」で動いたこともあるって仰っていました。
「タレこみ」というやつですね。
でもその先生の実感ではハズレが多かったとか。
4. 申告内容等からのアプローチ
①多額の『不表現資産』申告がある。
『不表現資産』っていうのは、
現預金とか無記名の有価証券とか、
その所有が容易に把握されにくい資産のことです。
無記名の現物割引金融債権。
昔はTVコマーシャルもしていた「ワリチョー」とか「ワリショー」とか。
かつては、銀行窓口で身元未確認で無記名で購入できたため、
裏金作り、マネーロンダリング、脱税等によく使われていたもの。
「これが多額にあれば、私なら調査対象に挙げる」
と、講師の先生は仰っていました。
②債務が過大で、それに見合う資産が申告されていない。
③個人や遠隔地の者からの借り入れが多い。(→ 架空債務では?)
④相次相続で前回申告財産と相違が大きい。
⑤同族法人の貸付金・借入金について、法人税の申告内容と合わない。
⑥親族名義の預貯金、株式が多い(→ 名義預金、名義株式では?)
などなど。
こういった視点をもとに、
亡くなった人あるいは相続人たちはどういった人たちなのかな~、
と想像を巡らしていくそうです。
ポイントは
「金銭への欲望が強い人間であるかどうか」!
面白い!
こういう実録系は大好きですね。
他の面白かった話では、
・現金や家財の申告がない。
⇒ 相続税の申告書作成に慣れてないと思われるから調査したくなる。
・不動産の評価については間違っていてもあまり指摘しない。
⇒ 間違っていたら税理士先生のミスだから、あまり言ってあげたくない。
・ある程度お金持ちであることが分かっているのに家がボロだと楽しみ。
⇒ お金を溜め込んでいることが予想されるため。
・まず病歴や死亡時の状況を聞く。
⇒ 相続税対策をどれだけ出来ていたのか予想する。
⇒ 名義預金の問題など、誰が財産の管理運用処分の実権を有していたか予想する。
これは他の税務署OBの人も言ってましたね。
税務職員は初めに死亡の経緯を聞くと。
・亡くなった方の趣味を聞く。
⇒ 書画・骨董の有無。ゴルフ好きならゴルフ会員権。競馬好きなら馬主。
・パスポートも見る。
⇒ ハワイなどの長期滞在はコンドミニアム所有の有無。
⇒ その他、同じ国に頻繁に出入りしてたら海外財産の有無。
などなど。
相続税調査で一番指摘されるのは、
家族名義預金についてだそうで。
お願いだから証書や通帳、銀行印は
あげた人やその配偶者ではなく、
財産をもらった人が持っておいてね
と先生は仰ってました。
そういえば以前、別の元調査官から聞いた話では、
これから始まる確定申告時期の
税務署の無料納税相談期間中に調査案件を選定するとか。
ちょっと職員の手が空いてくる午後14時から、
相続税申告書をバーッと数人で見て、
調査候補を挙げるって言ってましたね。
あなたの提出された相続税の申告書が
来月あたりに選ばれるのか、選ばれないのか。
ドキドキ。
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宝塚、西宮の若い親切な税理士。
横山会計事務所
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ご相談無料です。
確定申告もお早目にご相談下さい。
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